カイロプラクティックは1895年アメリカで誕生しました。
アイオワ州のダベンポートという町にD.Dパーマーという治療家がいました。
ある日、掃除夫をしていた黒人の青年が数年前から耳が聞こえないという話を聞き、
その青年の背骨を触ったところ、胸椎の一か所だけ少し隆起していました。
その隆起している箇所をD.Dパーマーが両手で押し込んだところ、「ポキッ」という音とともに背骨の隆起が消失しました。
その瞬間、青年の耳が聞こえるようになったというのがカイロプラクティックのはじまりです。
ギリシャ語でカイロは「手」、プラクティスは「技術」という意味です。
この二つの言葉を組み合わせて「手技」という意味になります。
D.Dパーマーは背骨のズレ(サブラクセーション)が神経の障害を招き、あらゆる不調が起こるのではないかと考えました。
サブラクセーションを手で矯正(アジャストメント)することにより、
神経の障害が取り除かれ、人が持っている自然治癒力(イネイトインテリジェンス)が引き出されれば、おのずと健康な身体になるという考えに至りました。
それから瞬く間にアメリカをはじめ、世界各国で法制化され、約40カ国で国家資格として扱われています。
現在、代替医療としてWHO(世界保健機関)に認可されているのは、カイロプラクティックと鍼灸のみです。
それだけ、科学的な研究がされ、安全で効果のある手技療法として認められているのです。
まだ法制化されていない日本をはじめ、諸外国でもカイロプラクティックが広まっているのは、
体感された患者さん自身が効果を感じ、必要とされているからだと実感しております。
カイロプラクティック自体は優れた療法で、先進諸国では国家資格として認められていますが、
残念ながら日本ではまだ国家資格として認められていません。
そのため、ちゃんとした教育を受けなくても、誰でもカイロの看板を出して開業できてしまうのが現状です。
近年、そういった施術院が増えており、強く押されてしばらく痛みがとれない、
無理矢理矯正されて痛みが悪化したなど、さまざまな苦情が増えております。
正規の教育機関では、カイロプラクターは患者さんに対してどうあるべきかという道徳も学びます。
自分の利益より、患者さんの利益を第一に考えます。
・「あなたの不調は布団を変えないと良くならない」と、高価な枕や布団の購入を勧める
カイロプラクティックは「手技」であるはずなのに、枕や布団など物販を目的にしている所があります。
その場の雰囲気で断れず買ってしまい、あとで「カイロ受けたら布団買わされた」という苦情が多数寄せられています。
また、高価なサプリメントを強要するところもあります。補助的にアドバイスするのは必要ですが、強要となると信頼関係もなにもありません。
布団は布団屋さんで買うのが一番です。
・事前にカウンセリングや検査をしないで、いきなり施術をはじめる
患者さんの状態を聞かないで、いきなり施術を行うのは非常に危険です。
骨粗鬆症の方にいつもと同じ力を入れてしまい、骨折させてしまったというケースもあります。
正しい教育を受けたカイロプラクターは、必ず事前にカウンセリングと検査を行います。
・症状に対しての説明が全くない
患者さんが知りたいのは、なぜこの症状が発生したのかということではないでしょうか。
カイロプラクティックは科学性に基づいてるものなので、原因を調べ、説明することは必須です。
説明がないということは、説明できないということでしょう。
・ガンや難病が治るという誇大広告
巷でいろんな民間療法が蔓延しておりますが、大げさに謳っている施術院は注意しましょう。
そもそも「治る」という言葉を民間療法で使ってはいけません。
・セクハラまがいなことをされた
当然あってはならないことですが、残念ながらこういった苦情も増えています。
ガウンに着替えてもらい、背骨を直接みる施術院もありますが、服を脱がす、胸を触るなどの施術はありえません。
同性どうしで、理解した上でならまだいいですが、男性の施術者が女性の患者さんにセクハラまがいなことをするのは施術ではなく、犯罪です。
上記にあてはまるものは本来のカイロプラクティックではありませんのでお気を付けください。
大切な身体はしっかりとした教育を受けた治療院を選ばれることを強くおすすめします。