〇70代男性
腰と膝が痛くて見て欲しいというお問い合わせがあり、3ヶ月前から痛くて座ることも立つこともできないということでした。電話で症状の経過を聞いたところ、
3ヶ月前かかとを痛めて外に出歩かなくなってからいまの状態になった。整形外科でMRI撮影。腰椎の変形があるものの、神経は問題なしと言われ、薬を処方されたが症状はよくならない。内科にも行ったがとくに異常なし。血圧を下げる薬が出されたがこれも効果はなし。
御歳は70代後半。座ることも立つこともできないという状態で3か月も経っていると、かなり筋力の弱化や関節の制限もあると予想がつきましたが、内科での異常がないので、カイロプラクティック適応の可能性をお伝えし、
「なんとか自分の足でまた歩けるようになりたい。可能性があるならやってほしい」と言われ、ご家族に両脇を抱えながら来院されました。
ベッドに横になるため立ち上がってもらおうとすると、足がガクガクして自力では無理。両脇を二人がかりで抱えてもらい、やっとベッドに座れる状態でした。
立位が不可能なので、仰向けの状態で検査をしていくと、左膝の関節の制限が強く、疼痛も強い。左ひざは変形性関節症の疑いが強い。腰の状態は動きの制限も悪くない、神経学検査も知覚、筋力、反射は正常。施術可能と判断し、始めました。
痛めたかかとを見てみると、褥瘡(床ずれ)になっていました。もしかすると、3か月前からあまり動くことができず、そのころから褥瘡が始まり、痛みが強くなってなおさら動くことができず、この3か月の間に褥瘡が悪化したかもしれないと推察。
やはり筋力の弱化は強く、柔軟性もかなり落ちていました。寝返りをするのも一苦労だったので、うつ伏せでアクティベーターと坐骨神経領域のリリースと殿筋群のPNFで調整したところ、施術直後から自分の足で立つことができました。
まだ、立位になると腰と膝の痛みがあるので壁に手をつかないと不安定ですが、少し前まで二人に両脇を持たれないと立てなかった人が、目の前で自力で歩いている姿を見て、
ご本人もご家族の方も「ずっと寝たきりの人が歩いているなんて信じられない!」と驚いていました。
3日後に再来したときは、以前より立ったり、座ったりできるようになったけどやはり膝の痛みが強いのということで調整しました。術後は膝の痛みも大分軽減し、今度は腰の痛みが気なる様子。
患者さんが「病院に行っても良くならないし、このまま寝たきりになってしまうのかと諦めかけていたところ、知り合いからうえまつカイロを聞いて藁をもすがる思いで電話したんだけど、電話して本当に良かったです。これで寝たきりにならなくて済みます。本当にありがとうございます。」
と言っていただき本当に嬉しかったです。自分の力というより、カイロプラクティックの素晴らしさと、人間の潜在能力の高さを感じた出来事でした。
〇30代の男性
1ヶ月半の赤ちゃんをだっこしていると、10分くらいで腰が痛くなるということで来院されました。
姿勢は腰の前弯が強く、身体を後ろへ反ると腰に痛みがでます。
赤ちゃんはまだ首がすわっていないので、抱っこをしながら患者さんが腰を反ることで赤ちゃんの頭を支えていたようです。
腰椎の椎間関節にストレスがかかり、椎間板の前面に伸張ストレスがかかり、大腰筋の緊張もありました。1回の施術で痛みはほぼ気にならない程度になり、だっこも長時間できるようになったとのこと。
ただ、赤ちゃんがベッドに置こうとすると、すぐに泣いて抱っこアピールをするので、休みの日はどうしても長時間抱っこになるそうです。うちの娘も、産まれてから生後2カ月くらいまでは、抱っこしてるとグッスリ寝てるのに、布団に置こうとすると泣いていた時期がありました。
まだ小さい赤ちゃんでも、3キロから5キロほどの重さがあります。長時間抱えているのは決して楽ではありません。
そこで、腰などの負担を最小限にすることが重要です。まだ首が座るまではなかなか思うような姿勢が取れませんが、その間に腰が痛くなるのであれば無理せずコルセットや腰痛ベルトをつけて負担を減らしましょう。
コルセットのつけすぎは筋力の低下につながるので、抱っこなど負荷がかかるときだけにしてください。
そして、天然のコルセットと言われている腹筋群。腹直筋だけなく、腹斜筋、腹横筋を少しずつ鍛えましょう。
筋肉は何層にも分かれており、筋肉の働きも各々違います。
腹斜筋、腹横筋はお腹の横にある筋肉。これはお腹を意識してへこますようにするだけでも刺激できます。
とくに腹横筋は薄い筋肉なので、鍛えてもそうそう分厚くなる筋肉ではないのですが、使って刺激してあげることが大切です。
赤ちゃんのときも時が過ぎれば一瞬です。抱っこしてあげられるときはめいいっぱい抱っこして愛情を注いであげてください。